クライアントの目

エスネットワークスではコンサルタントが常駐して、会計や財務の実務実行支援を行い、経営者支援からさらには経営者そのものを輩出しています。今回は、愛知県名古屋市をベースにベーカリー、スウィーツ等を主力商材に事業を展開され、業容拡大に伴う内部管理体制のレベルアップを図るべく支援させていただいているお客さまをご紹介いたします。担当コンサルタントが率直なご意見を伺いました。

ご協力いただいたのは、株式会社オールハーツ・カンパニーの取締役管理部長 柴田裕貴氏と管理部総務課 課長の佐々木健人氏です。同社は、「HEART BREAD ANTIQUE」ブランドのベーカリーショップ等を全国で100店舗以上展開するほか、直近では「なめらかプリン」で有名な「パステル」の事業を譲り受け、スウィーツのラインナップを強化する等、パンやスウィーツを通して、お客さまの毎日を豊かなものへと導く事業を展開しています。それでは、株式会社エスネットワークスの東海支店長であります中崎翔太がインタビューします。

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Make Happiness
Q. まずは御社をご紹介いただけますか?

柴田氏

当社は、代表の田島慎也が2002年、20歳のときに創業しました。元々は小さなベーカリーからスタートしました。創業当時は、「美味しくて、お客さまの喜ぶ商品をつくる」ことに徹し、日々試行錯誤を続けていたそうです。その過程の中で、「マジカルチョコリング」や「とろなまドーナツ」といった商品が生まれ、その評判が口コミで広がっていきました。そして、より多くのお客様に商品を届けるために、銀座店をはじめ全国に出店し、現在では海外を含めた多店舗展開をしております。過去に、年々企業規模が拡大し、田島の事業に対する想いを全パートナーに伝えきれず、業績が低迷しかけたときがありました。そのときに作成したのがクレドです。クレドは創業当時から大切にしている田島の想いをまとめ、現在でも毎日唱和しています。「お客さまはもとより、従業員や、地域社会のために、我々ができることをしっかりやっていこう。」一言でいうと、「Make Happiness」です。我々のコアコンピタンスをよくよく考えると、祖業であるベーカリーの運営や、独自性のある商品開発と捉えています。またベーカリーと共通の設備でできることとしてパティスリーもありますが、ベーカリーとパティスリーは非常に親和性が高く、お客さまにも喜んでいただけます。お陰様で、今では全国で100店舗以上の規模となり、フランチャイズ展開も行っています。企業規模が拡大していくと、収益も増え、事業が安定もしてきていますから、それにともなって新しいことに取り組む環境も整ってきました。現在主力ブランドは、「HEART BREAD ANTIQUE」(ベーカリー)ですが、美味しく、安全で、かつオリジナリティ溢れる商品を充実させること。やっていることは非常にシンプルですが、継続してお客さまに喜んでいただけるよう今後も取り組んでいきたいと考えています。

佐々木氏

田島は職人からのたたき上げですから、もちろん今でも美味しいものへのこだわりは相当なものがあります。この本社の一角にはテストキッチンが併設されていますが、そこから届けられた新商品の試食をしてみて、何か違うなとなれば、自らテストキッチンに入って手を加え、美味しいと思うものを突き詰めていっていますね(笑)。店舗の内外装にしても同様です。ジャッジも含めて人任せにはあまりしませんね。

柴田氏

そうした「センス」を田島は持ち合わせていますが、商品だけではなく従業員に対してもよく目配りする「観察眼」を持ち合わせていると従業員の一人として感じています。職人というと、すごく人にも厳しいイメージがありますが、田島はそうしたことは決してありません。仕事には厳しいですが、人にはすごく優しい。社員がのびのびと働きやすい環境です。「厳しくて優しい会社を目指す」とは田島の言ですが、それを体現しているのが田島自身です。創業時において3名で始めた店舗が、お陰様で2,500人以上の会社組織になりました。そうした大勢の従業員に当社の理念を共有し拠り所とするため、クレドを策定し、「世界No.1ベーカリー&パティスリーを目指す」と銘打っています。そしてそれを実現するための組織や個人の取り組みについて共有しています。最近では携帯できるクレドブックを全員へ配布するとともに、各拠点を中継でつないで行う朝礼でもその理念に触れ、個々の従業員が高みに立てるよう注力しています。そのクレドの中に、「『仕組み』で勝って『人』で圧勝します」という一節がありますが、人を大事にする経営を我々管理部としても行っていきたいと思いますし、実感として田島が目配りしている安心感があります。これは我々プロパー社員だけではなく、先般買収した会社の方が実際そうおっしゃってくださったことは誇りでして、当社の自慢の一つであると言えると思います。

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ほどよい距離感
Q.弊社にご依頼いただいた経緯を教えていただけますでしょうか。

柴田氏

当社で工場を立ち上げた際に、原価計算管理をどのように行っていくかといった課題が出てきました。そうしたとき、名古屋中小企業投資育成さんに御社を紹介していただいたことがきっかけでした。ちょうどそのタイミングで御社も名古屋の拠点を置かれたばかりで、いろいろと営業開拓を行っていたところだったかと思いますが、中崎さんの前任の支店長でいらした渡邊さんにご相談をしました。当時は御社が今我々の本社があるこの伏見駅界隈にいらして、当社は名古屋駅界隈にありましたね。今はお互いに移転して逆に御社が名古屋駅界隈へ、当社が伏見駅界隈にあるというのも、なんだか運命的な気がします。渡邊さんは、私と同じ年齢で、加えて同じような学業のバックグラウンドがあったこともあって、公私ともに非常によくしていただいたことを覚えています。そうしたこともあって、先に申し上げました原価計算についてのプロジェクトで初めてご一緒させていただき、その後当社が初めてM&Aを行うタイミングで改めてご協力いただきました。その過程で中崎さんとも面識ができて、今日までご一緒させていただいています。そのM&Aなんですが、当社としては初めてのM&Aで右も左もわからない中で、先方にFAもついていらっしゃらないといった事情もあり、大変な苦労がありました。そうした環境にあって、1ヵ月くらいどっぷりと案件をお手伝いいただきました。その後、こうしたご縁と実績もあり、引き続き当社の管理体制の強化をお手伝いいただいています。

佐々木氏

一言で管理体制の強化といっても、その実現には非常に多種多様な取り組みが必要です。そうした課題や疑問が出たときに気軽に相談できる方という立ち位置はすごくありがたいと思っています。例えば公認会計士の先生に相談するといったら、なんだか年齢が50代や60代の大先生に対して、「お時間よろしいでしょうか?」とかしこまってお伺いするところから始まるようなイメージを持っていたんですが(笑)、中崎さんとは年齢が近く、加えて同じ現場にいてくださることもあってとても相談しやすいですね。私自身はもともと会計専門でもありませんし、異業種出身ですから、そもそも公認会計士ですとか、そういった知り合いもいませんでした。身近な相談相手としていつも重宝させていただいています。 柴田氏:中崎さんとで言えば、もうかれこれ4~5年来のお付き合いになりますよね。初めてご一緒させていただいた案件の後、中崎さんは業務で全国いろいろな場所を転々とされていましたが、その後巡り合わせで名古屋に着任されました。 佐々木氏:中崎さんと初めてご一緒した案件が終わったときに、当時一緒に取り組んでいたメンバーと焼き肉屋で打ち上げをしたんです。そのときにボトルをその店に入れることにしたんですけど、ボトルキープのタグを中崎さんが書くことになったんです。普通なら、そのタグには名前を書いておしまいですけれども、中崎さんは「オールハーツ・カンパニー社さんから次にご相談いただくときは名古屋に戻ってきます!」と書いていましたよね。中崎さんはそれから暫くは名古屋を離れていらっしゃいましたが、今ご支援いただいている内部管理体制の強化について、改めて御社へご相談したタイミングで再び名古屋に舞い戻ってきて、また一緒にお仕事をさせていただいています。なんだか運命的なものを感じましたね。 柴田氏:確かにそんなこともありましたね(笑)。

貝塚社長

合わせて社内規程の整備をはじめ、細かい点まで調整ができたことにより、会社の思いに社員が共感できるようになり、強固なチームができあがってきていると感じています。

先導役と伴走役の両方を担う
Q.ありがとうございます。手前味噌なんですが、コンサルタントの魅力を伺えますか。

柴田氏

やはり仕事に対する姿勢は、会社の文化に影響されることが多いと思いますけれども、中崎さんは私たちよりも非常に仕事にストイックに向き合ってくださっていますし、特に成果物に対してのストイックさは相当のものだと感じています。成果物だけではなく、そういった姿勢そのものが勉強になりますし、我々の仕事に対する姿勢も間接的に正してくださるような点が魅力だと思っています。加えて、これは中崎さんをはじめとした御社のコンサルタントに押し並べて言えることなんですが、我々の事業に対してすごく前向きに理解しようと努めてくださっているところが素敵だと思います。例えば、当社が提供しているパンを、当社にいらっしゃるときだけ社交辞令的にちょっと購入されるのではなくて、普段から買っていただいたり店舗の様子を見ていただいたりしてさまざまなフィードバックをくださいます。これは口先だけでできることでは決してなくて、簡単なようでおざなりにしがちな部分ですし、どうしてもコンサルタントってそういう傾向の人が多いとも感じていましたから、とても新鮮に感じました。こうした姿勢やその専門性をもって、我々の前を走ってゴールに向かって先導してくださるんですけれども、それでいてある意味では同じ場所で一緒に伴走してくれているという印象です。先導役と伴走役の両方を担ってくださるという意味では、他のコンサルティングファームにはない御社の魅力をその点に強く感じています。

佐々木氏

先ほど、我々の事業を理解してくださろうとしている姿勢について柴田からお話しさせていただきましたけれども、当社の事業や成長スピードに愛着を持っていただいていることが大きいですね。そうした愛着を持っていただいている会社だからこそ、「好きだからこそ勝ってほしいし、勝たせるべきだし、勝たせるために貢献する」と言っていただいたことを今でも覚えています。

Q.当社が関与させていただいて、具体的に社内的な変化がありましたら教えていただけますでしょうか。

柴田氏

大きく挙げると2つありますが、1つは成果物として、単なる帳票をアウトプットとしていただけるということに留まらず、仕組みを我々と協働して考えて導入してくださるので、中崎さんが実作業から離れられて、当社側のリソースでの運用が始まった際にも、途切れることなく運用が可能となることが大きいと思っています。そして私がもう1つ非常に感心しましたのは、先ほども申し上げましたが、協働して、つまり一緒になって考えてくださるので、そこで協働した当社のメンバーも目を見張る成長を遂げることです。これは他の外部業者にお願いした際にはない御社の魅力だと思っていまして、一緒になって問題を解決していく。一般的には、課題解決に取り組んでいただいて、出してもらった成果物を納品していただいて終わりというケースが多いんですけれども、周辺課題の理解から、決してピンポイントの局所的ではなく、面的に問題解決ができる。そしてそれに携わった当社メンバーは漏れなく成長できていると思っていますし、何より私がその恩恵を一番受けていると考えています。

佐々木氏

中崎さんと初めてお仕事させていただいたとき、私は畑違いのところからやってきて管理部業務に初めて取り組むありさまでした。財務三表の予算を作成する業務をするときに、中崎さんにしっかりと入り込んでいただきました。当時の私があまりに会計の知識が素人レベルで、なんとなく分かるなといった程度だったんですが、中崎さんに最終的なアウトプットまで作っていただいて、途中のプロセスが全く分からなかったものですから、完成形だけを見て、当時は「天才だ」って思いましたね(笑)。その後、ご一緒させていただく中で、「大事にしているところは、一緒にやることに意味がある。僕一人でやればある程度短時間でもアウトプットはできるけれども、それではモノしか残らない。結局、モノを作り続ける人にモノを作るナレッジやエッセンスを伝えきることが重要だ」とおっしゃっていただいて。具体的な考え方ですとか、検討するべき、あるいは詰めるべきポイントですとか、一見遠回りになりそうですけれども、全体の説明をしてくださったことが印象的でしたし、そうした考え方で業務に取り組むという姿勢を教えていただきましたね。

Q.これから期待いただけることで言えば、どういったことがありますでしょうか。

柴田氏

今後当社のビジネスが伸長する過程で、あるいは時代の変遷の中で、必ず未知の課題に遭遇することが想像するに難くありません。そうした場合に、中崎さんにすぐに連絡できるような関係性でいられるということは安心感があります。これまでもそうしたシーンはありましたが、ラフなミーティングの場で他社事例も含めた説明をしていただいたり、課題解決のためのカンバセーションを持ったりしながら、それがあたかも形の捉えられないボヤっとした雲のような段階から、きちんとした塊にまでしていくために、有意な議論の壁打ちがいつでもできるということですね。是非こうした関係を持ち続けられればなと思います。

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「口にするもの」への飽くなき挑戦
Q.最後に、今後の御社の事業展望等をお聞かせください。

柴田氏

私個人の見解で言いますと、日本市場だけに着目するならば、人口は減っていき、確実に縮小していきますから、そこから今後どうやって右肩上がりの成長を維持・実現していくかということに尽きると思います。当社としては薄利多売に陥ることは戦略上よろしくないと考えております。海外にも目を向け、日本市場での勝ちパターン(素材へのこだわりや、商品企画力など)を、海外市場に横展開し、さらなる市場開拓を図っていきたいと考えています。また商材で言えば、当社はベーカリーとスウィーツという市場でチャレンジをしてきましたが、今後はある程度その事業領域を拡大して、「食品」という切り口から、新しい挑戦をできればと思っております。

佐々木氏

例えば当社が使用している小麦粉を使った展開ですね。小麦に関するチャレンジで言いますと、当社では北海道産の小麦をメインに、数種をブレンドして使用しています。これは当社の数あるこだわりの1つです。しかしながら、先般発生した北海道胆振東部地震では、幸い当社に被害はありませんでしたが、取引をさせていただいている製粉会社が被害に遭われて、小麦粉の供給が枯渇するのではということがありました。当社としてはギリギリまで八方手を尽くして国産の小麦を使い続ける一方で、そうした製粉会社の皆さんがいち早く復旧できるよう支援物資をお送りすることもしました。美味しいものをお客さまにお届けするため、お取引先さまも含めてチャレンジができればと取り組んでいます。

柴田氏

その例にもあるとおり、取り組み如何では業界全体も元気にすることができるはずです。これから当社としてその貢献できる範囲をより拡大していければと考えていますので、今後ともお付き合いのほどお願いいたします。

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ありがとうございました。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

担当者の横顔

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