PEファンド投資先における人事制度再構築および常駐型運用定着支援

PEファンドが買収した、売上高約100億円・従業員数約500名規模の地方に本社を置くアパレル企業が対象。同社は創業以来、オーナー社長の強力なリーダーシップと明確な企業理念のもとで成長を続けてきたが、今後のさらなる全国主要都市への展開および組織拡大を見据え、経営管理体制と人事組織の抜本的な改革が求められていた。 
当時の課題として、等級・評価・報酬の各制度が連動しておらず形骸化していたこと、職種ごとのインセンティブ(歩合給)や諸手当の仕組みが複雑化し現状の組織実態に合わなくなっていたこと、さらに全社平均年齢が約30歳と若手社員が大半を占める組織構造に対して、採用・定着・優秀な人材へ報いる仕組みが不十分である点が挙げられていた。 
ファンドが求めるガバナンス体制・数値管理の強化と、オーナー社長が大切にしてきた理念や社員への想いを高次元で両立させ、社員一人ひとりが納得感を持って自走できる人事制度の設計・導入が急務であった。 

私たちが提供したValue

・ファンド案件における人事組織の戦略 
PEファンドの投資先企業として、投資後のバリューアッププランおよびガバナンス強化に合致した人事制度のグランドデザインを策定。経営戦略と人事戦略を強固に連動させた

・地方拠点への密着サポート
地方に拠点を置くクライアントに対し、コンサルタントが半常駐スタイルで徹底的に現場へ伴走。若手中心の組織構成や現場独自のリアルな課題感を丁寧に吸い上げ、一過性の提案にとどまらない実効性の高い制度へと落とし込んだ

・オーナー社長の理念と新制度の融合(徹底的な伴走)
創業からの企業理念やオーナー社長の強い想い(「三方皆良し」等)を深く汲み取り、形骸化しない、組織のエンゲージメントを高める等級・評価・報酬体系を構築。組織の「根っこ」に深くアプローチし、社内に定着する仕組みを実現した 

具体的な支援内容

クライアントの現状分析から新制度の設計、そして実際の移行・導入にいたるまで、以下のステップに沿って一貫したハンズオン型の支援を実施。

等級制度の整備 

・マネジメントコースと専門性を評価するスペシャリストコース(販売職等)の複線型キャリアパス(等級フレーム)を導入し、多様な人材の成長ルートを明確化 
・各等級において会社が求める役割定義や期待行動を明文化し、若手社員にも分かりやすい基準として可視化 
・過年度評価や上司推薦をベースとした、客観的かつ公平な昇格・降格の原則ルールを策定 

評価制度の改善 

・経営目標(全社KGI)を起点とし、本部・部門・課・個人目標へと段階的にブレイクダウンする一貫した定量評価指標の設計 
・等級ごとの期待役割に直結し、行動や仕事の進め方を「安定度」や「質」の観点から公正に判定する定性評価(行動評価)の導入 
・評価者ごとの評価基準のばらつき(甘辛)を是正し、全社的な妥当性と納得性を担保するための「評価調整会議」の実施フローおよびアジェンダ設計 

報酬制度の適正化 

・複雑化していた諸手当や職種別の歩合給を整理・統合し、基本給を中心に据えたシンプルかつ安定的な給与体系への見直し 
・採用強化・競争力向上の観点から地域手当の支給額・エリア区分を再設計、および非管理職(販売職)への固定残業制の導入による月給の安定化 
・個人評価の成果(定性・定量)および会社業績を反映し、貢献度に応じてメリハリをつける成果連動型の賞与支給基準の策定 

移行・導入および定着支援 

・新制度への移行に伴う急激な給与変動や不利益変更を防ぐため、段階的に縮小させる「調整給」を用いた激変緩和措置の試算・設計 
・全社員への周知と心理的納得感を深めるため、制度の目的や仕組み・キャリアパスを網羅した「人事制度ガイドブック」および社員説明会資料の作成 
・評価運用の質を担保するため、評価シートのクラウドシステム移管(カオナビ、SmartHR連携等)のオペレーション設計のサポート