【クライアントインタビュー】常駐支援 | 現地法人の管理体制の構築と運用定着を実現 | TANAKA SCALE VIETNAM CO., LTD様

エスネットワークスでは、コンサルタントがお客様の事業所に常駐し、会計や財務領域を中心とした実務実行支援を行うことで、経営者支援を提供しております。今では在ベトナムのお客様への専門チームが、ベトナム国内において同様のサービスを提供させていただいております。


その一例として、工業用秤製作・販売といった事業を展開され、現地法人の管理体制の構築と、運用定着を実現するため、現場スタッフの指導までを一貫してサービス提供をさせていただいた明治36年創業の株式会社田中衡機工業所をご紹介いたします。

 株式会社田中衡機工業所は、「『はかり屋』魂で、産業の基盤を守り続け、人と人とを信頼で紡ぎ、今よりも幸せな世界を育む。」という理念をベトナムの地でも実現するべく、
 2011年11月にTANAKA SCALE VIETNAM CO., LTD.を2011年11月にベトナムに設立されました。

インタビューは、代表取締役社長 田中 康之氏と取締役 茶木 晃氏にご協力をいただきました。

Q. まずは御社をご紹介いただけますか?

 田中様
当社は日本本社を株式会社田中衡機工業所、ベトナム法人としましてはTANAKA SCALE VIETNAM CO., LTD.と申しますけれども、産業用、工業用の秤を制作・販売する会社です。
代表的な製品としましては、トラックスケールやフロアスケールといったものを手掛けています。
ベトナム法人は、2011年11月に設立いたしました。
アジアの市場でも通用する計量器メーカーになりたいという目標があり、ベトナムへの進出を決定した次第です。 

Q. 弊社にご依頼いただいた経緯を教えていただけますでしょうか?

 田中様
エスネットワークスさんにご相談する前のマネジメントは、現地法人であるTanaka Scale Vietnam Co., Ltd.の責任者、つまり日本人マネージャーとベトナム人副社長に任せていましたが、組織作りに課題感がありました。
 創業して20名、30名の規模までは良かったんですが、お陰様で業容が大きくなるにつれてマネジメントに課題が見え始めました。
当然最初は、責任者が全ての部門を分掌しているわけですが、これを部門ごとに権限を委譲し、それぞれの組織がきちんと機能し、責任者が統括するという形が本来の形です。
しかしながら、実際には先の二名が全部門の責任者であり、それぞれの部門が機能不全に陥っていました。
それであれば、プロフェッショナルなコンサルタントの方に先ずは現場へ赴いていただいて実態をご確認いただき、具体的にどのようなサポートが可能であるかをご提案いただきたいと考えました。

Q. 当社が関与させていただいて、具体的な社内の変化がありましたら教えていただけますでしょうか。

 茶木様
Khoaさんには現地に赴いて調査を先ず行っていただき、そのうえで管理業務体系を構築いただきました。
業務を整備していく過程で当社の現場にKhoaさんのチームに常駐していただき、一時的に業務運営を委ねながら、その業務を内製化するにために必要なポジションの採用活動もお手伝いいただきました。

一通りの管理業務を担うメンバーがそろってからは、業務分掌を整備しながら更に一歩進んで、管理業務の高度化、具体的には月次決算の早期化・精緻化、原価計算や管理会計の導入といった幅広い支援をいただいています。

特に社内の会計面、管理面が可視化されたメリットは非常に大きかったです。私どもは普段日本におりますし、特に直近ではコロナ禍で渡航もなかなか行えない中にありながらも、現地の状況が手に取るように分かるようになりました。
時間が経過するにつれ、特に現地のマネージャークラスのスタッフとコミュニケーションを取るたびに彼らの成長が感じられるようになり、大変心強く思っています。
田中様
茶木が申し上げたような変化は私も感じています。
これは私ども経営層とはもとより、現地で机を並べて現場スタッフと一緒に働きながら密にコミュニケーションをとっていただくことで、しっかりと信頼関係を築いてくださった結果だと思っていますし、課題提示型の一般的なコンサルティングではなし得なかったのだろうと想像しています。


加えて、日本とベトナムの文化の違いも含めてきちんと私どもにも分かるように表現して伝えてくれたことは本当にありがたかったです。私どもが現地スタッフと仕事をしていても、彼ら彼女らも気をつかって、気になることでもストレートに言ってくれないことがたくさんあるんだろうと感じてもいましたので。

茶木様
社内の管理体制を強化していくにあたっては、仕組みもそうですが、現地スタッフにその目的や意義を理解してもらうことがやはり非常に大切です。

これを日本人が行うことは時に困難ですが、Khoaさんからは日本人の感覚、ベトナム人の感覚をそれぞれ伝えていただきました。お互いの目線や認識の違いを第三者の立場から的確に指摘いただけたことは、現地法人のマネジメントを行う際にぶつかりがちな文化の壁を越える大きな助けとなりました。

Q. 手前味噌ですが、コンサルタントの魅力を伺えますか?

 田中様
私が感じるのは、良い状況の時も悪い状況の時も、Khoaさんはいつもニコニコして朗らかなところがいいですね。お互いビジネスに真剣ですから結構厳しいことを申し上げたこともありますが、悪く受け取らずうまく受け流してくださっています。そういう余裕は、ご自身の仕事にプライドや自信を持っているからこそのものだと思います。また現場ではKhoaさんがご自身の若いチームメンバーへ指導しているところも垣間見えるのですが、人間関係の良さが伺えます。


茶木様
田中が申し上げたようにKhoaさんはいつも朗らかですし、私どもとも良い意味で思った事を言い合える関係でそれも勿論魅力です。

ですが、他の会社さんとの打ち合わせに一緒に参加いただいた際に、当社側に立って「そんなに心配することはありませんよ」と毅然と主張いただいたことがありました。しっかり全部を見ておっしゃっていただいているんだなと、すごく頼もしさを感じた出来事でしたね。人への指導ではシビアに判断をして、必要に応じて厳しい指導もされていて、緩急うまくつけられているように拝見しています。

Q.これから弊社に期待いただけることはございますか?

 田中様
お陰様で現場での常駐支援が奏功し、管理体制もしっかりしてきました。

ご支援いただく期間が長くなるにつれ、そしてその効果が現れるにつれ、いわゆるご支援の密度は低くなっていくんだと思います。具体的には最初は5名のチームに常駐していただきましたが、現時点では常駐は1名だけ、ゆくゆくは常駐を行わなくなる、それが理想形だとは思います。

しかしながら、月に一度、運用状況をモニタリングしていただく、或いは隔週でチェックいただく等、その時々に応じた形でKhoaさんやチームメンバーのNamさん達とお付き合いが続いていくと嬉しく思います。業務改善の進捗には目を見張っていますが、日本から見た死角はどうしても生じてしまいますので、引き続き長くご一緒いただけると本当に心強いなと思います。

 茶木様
先ほど申し上げたように、Khoaさんのチームには当社で採用したスタッフの育成まで担っていただいていますが、それが形になってきています。

今育成されているメンバーの更に次の世代を育てる仕組みを構築し、持続可能な形に出来ればと思いますので、是非そこまでお願いできればと思いますし、田中の申し上げたとおりその時々の関係値で末永くご支援いただけると嬉しく思います。


Q. 今後の御社の事業展望等を最後にお聞かせください。

 田中様
先ず私どもが考えておりますのは、工業用の秤は産業の基盤であるということです。正確な測定なくしてあらゆる産業は成り立ちません。そうした産業インフラをベトナムで提供していきたいと思います。

ですから私どもとしては、ベトナムローカルの秤メーカーが提供できない付加価値を提供しないといけないとも話しています。

そしてもう一つ、冒頭にも申し上げましたが「私たちの使命」として、「『はかり屋』魂で、産業の基盤を守り続け、人と人とを信頼で紡ぎ、今よりも幸せな世界を育む。」と謳っています。

ベトナム交通運輸省・道路総局からは、過積載の大型トラックを取り締まる為の計量システム納品のご相談をいただき、JICAのご支援もいただきながら納品し、製品の品質・精度についても非常にご満足いただくことができました。

道路は最も重要な社会資本の一つであり、それを良い状況に維持していくことは産業の発展に欠かせません。道路という重要な社会資本に当社しかできない付加価値提供を行えたことは、当社が考える理念をこのベトナムの地で体現できたと言えるものと自負しています。

ベトナム交通運輸省・道路総局とは引き続きこうした計量システムをベトナム全土に敷衍させていくべく協力して取り組んでいます。

その過程でKhoaさんのチームにご支援いただけることはないかと考えていたところですので、私たちの新たな挑戦にご支援いただきたく、改めてご相談差し上げたいと思います。

これからも伴走いただきたく宜しくお願いいたします。