経営KPIの可視化によるモニタリング体制の構築支援
売上高数百億円規模の製造業である対象会社では、財務情報は経理部門、生産・品質に関する情報は工場、販売情報は事業部門と、 経営判断に必要な情報が部門ごとに分散していた。
月次の会議体に向けて各部門が個別に集計した資料を持ち寄る運用が定着しており、 集計に人手と時間を要する一方で、部門間で指標の定義が揃っていなかった。経営管理体制の見直しが進む局面において、 経営が見るべき指標を定め、継続的にモニタリングできる体制を構築することが求められていた。

私たちが提供したValue
経営が見るべき指標の再定義
財務専門家として、営業利益を起点に財務指標と製造・販売・調達・研究開発の業務指標を一つの体系に整理し、経営会議で参照すべきKPI*1を特定した。数字による事実把握、数字による議論、数字に基づく意思決定の土台を整備した。
現場常駐による指標定義の統一
経営当事者として現場に常駐し、部門ごとに異なっていた指標の定義と算定ロジックを突き合わせた。データの精度と適時性の均衡点を見極め、運用可能性を検証した設計に落とし込んだ。
運用を引き継ぐための仕組みの整備
経営者パートナーとして、データの提出から更新・確認までの運用フローとマニュアルを整備し、クライアント側の担当部門への引継ぎを支援した。
*1 KPI(Key Performance Indicator):組織の目標達成度合いを定量的に測るための重要業績評価指標のこと。
具体的な支援内容
KPI体系の設計
- 各部門長および担当者へのヒアリングによる、収益・原価の主要な変動要因と重要指標の洗い出し
- 営業利益を起点に、販売・製造・調達・在庫・研究開発の各指標を接続したKPIツリーの作成
- 経営会議で参照する主要指標と、要因分析に用いる補助指標の切り分け
データの利用可能性の把握とデータフローの設計
- 基幹システム、各部門が管理する集計表に分散したデータの所在・粒度・更新頻度の調査
- 指標ごとの取得精度と所要日数の整理、実績値と速報値*2の算定範囲の切り分け
- 元データの更新形態の類型化と、類型ごとの取込・更新方式の標準化
経営ダッシュボードの構築
- クラウド型のBIサービス(SaaS*3)を基盤とした経営ダッシュボードの構築
- 集計表によるモックアップで掲載項目を合意したうえでの、初期版から本番版への段階的な構築
- 部門ごとに形式の異なる多数の元データの加工処理の実装と、計算指標の定義
- 経営成績の概観から機能領域別の指標へと掘り下げられるダッシュボードの構成
- 予算・実績・差異および着地見込の対比と、ドリルダウン*4による要因分析の実装
運用移行と引継ぎ
- データの提出から更新・確認までの運用フローの設計と、初回更新までの手順の整備
- 提出用ファイルの様式固定と保護設定による、取込エラーの発生要因の抑制
- 更新エラーの類型と対応手順の整理および問合せ窓口の設定
- 操作マニュアルと保守・拡張手順書の整備による、クライアント側の担当部門への引継ぎ支援
*2 速報値:確定実績の集計を待たず、一定の前提を置いて概算で算出する数値のこと。
*3 SaaS(Software as a Service):ソフトウェアを自社で保有せず、インターネット経由でサービスとして利用する提供形態のこと。
*4 ドリルダウン:集計された数値を、より詳細な区分に展開して要因を掘り下げる分析機能のこと。