上場準備企業におけるFP&A体制高度化支援
売上規模100億円超の上場準備企業である対象会社では、上場後を見据えた予実分析の一層の精緻化が経営課題となっていた。また、経営管理の視点が損益計算書に偏っており、損益・財政状態・資金を一体として将来を見通す仕組みが十分でなかった。上場準備の過渡期にあって財務報告数値に関わるシステムの新規導入・刷新が難しいという制約も踏まえ、既存の基盤を活かしながら予実分析の高度化と損益偏重からの脱却を両立させるFP&A*1機能の再設計が求められていた。

私たちが提供したValue
予実分析の前提となるデータの流れの可視化
専門家として、管理会計上の分析軸と財務会計上の科目体系の対応関係を精査し、予実分析の前提となるデータの流れを可視化した
将来を見通す管理に向けた基盤整備
パートナーとして、財務三表連動モデル*2および為替変動の影響を可視化する様式を整備し、更新作業の実演を通じて自走に向けた引継ぎを行った
上場準備期の制約を踏まえた運用方針の見直し
経営当事者として、ツールと分析要件との適合性の検証結果を踏まえて運用方針を見直し、既存の基盤を前提とした運用設計へと切り替えた
具体的な支援内容
現状把握とデータフローの可視化
- 予算・実績データの保有状況および加工処理の整理
- データフローチャートの作成による情報の受け渡し経路の可視化
- 分析軸と科目体系の対応関係の整理
- コスト明細や人員推移など分析資料のたたき台の作成
予実分析基盤の運用要件の整理と方針の見直し
- 既存ツールと分析要件との適合性の検証
- 実績データを仕訳粒度で集約する場合の要件の整理
- 検証結果を踏まえた運用方針の見直しと、既存の表計算基盤を前提とした要件の再定義
- 既存の集計・出力を新たな運用で再現するための科目対応関係の整理
財務三表連動モデルと為替影響の可視化
- 既存の損益予算モデルと貸借対照表・資金予算モデルの統合による三表連動モデルの構築
- 損益見込み、純資産、資金収支を連動させて試算するロジックの組込み
- 為替変動が業績および財政状態に与える影響を可視化する様式の整備
レポーティング様式の整備と運用の引継ぎ
- 予実対比および全社サマリーのレポーティング様式の整備
- 更新オペレーションの構築および実演を伴う対象会社担当者への引継ぎ
*1 FP&A(Financial Planning & Analysis):予算策定、予実分析、将来見通しの作成などを通じて経営の意思決定を支援する財務企画機能のこと。
*2 財務三表連動モデル(Three-statement model):損益計算書・貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書を相互に連動させ、一体で将来数値を試算する財務モデルのこと。